因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)のおはなし

「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」

これは、日本の昔ばなしのひとつで、「古事記(こじき)」という日本で一番古い本にものっている有名なお話です。

今回は、このお話を誰でも簡単に分かりやすく説明します。

 

🐰だれが出てくるの?

① 白いウサギ(しろうさぎ)
かしこくて、ちょっとイタズラ好きなウサギさん。

② 八十神(やそがみ)
たくさんの神さまたち。兄弟(きょうだい)なんだけど、ちょっといじわる。

③ 大国主命(おおくにぬしのみこと)
八十神の弟で、心のやさしい神さま。

 

📖どんなおはなし?(簡単に)

🐇①ウサギのウソ

昔々、白いウサギがいました。このウサギは、今の鳥取県にある「因幡(いなば)」という場所へ行きたかったのです。

でも海があるからわたれない。

そこでウサギはサメたちにウソをついたんだ。

「ねぇねぇ、サメのみんな!ウサギとサメ、どっちが数が多いか比べようよ! 1列にならんで~!」

サメたちは1列に並んでくれたから、ウサギはその背中をピョンピョンと飛んで島にわたろうとしたんだよ。

でも、最後にウサギはつい…

「ふふん、本当は数をくらべたかったんじゃなくて、島にわたるためだったのさ~!」

と、サメにウソをばらしてしまった。

すると、サメたちはカンカンに怒り、ウサギの毛をむしって皮をむいてしまいました

ウサギは体中がヒリヒリ、真っ赤になってしまい、泣いていたの。

 

🧙②いじわるな神さまたち

そこへ、たくさんの神さまたち(八十神/やそがみ)が通りかかります。

彼らは美しいお姫さま「八上比売(やかみひめ)」に会いに行くところでした。

傷ついたウサギを見た八十神たちは、わざとまちがったことを言います。

「海の水で洗って、風にあたるといいよ!」

ウサギは言われたとおりにしましたが、体がもっと痛くなってしまいました。

 

💖③やさしい大国主命(おおくにぬしのみこと)

そのあとに通りかかったのが、八十神の末っ子、大国主命(おおくにぬしのみこと)です。

彼はウサギを見て、やさしくこう言いました。

「海水じゃなくて、川の水でやさしく洗ってガマの穂(ほ)でくるまってごらん。

ウサギがその通りにすると、なんと体がすっかり元どおりに!

そしてウサギはお礼に、大国主命にこんなことを言ったよ。

「あなたはやさしい人。この先きっといいことがあるよ。因幡の美しい姫(ひめ)八上比売と結ばれるのは、あなたです!」

 

🌟このお話から学べること

① ウソをつくと、かならずバレる

ウサギはサメにウソをついたせいで、ひどい目にあってしまいました。

ウソをつくと、あとで自分が困ることになります。

② やさしい心は大切
大大国主命は、ウサギをいたわり、ほんとうの助け方を教えてくれました。

やさしい行動は、きっとまわりの人の心にも伝わります。

国主命のように、やさしい人はきっといいことがあるよ!

③ 知識よりも思いやり

八十神たちはウソを教えてしまって、ウサギを苦しめたよ。

でも、大国主命の思いやりが、ウサギを元気にしたのです。

 

 

おわりに

「因幡の白兎」は、ただの昔ばなしではなく、ウソのこわさやさしさの大切さを教えてくれる、すばらしいお話です。

子どもにも、大人にも、今の時代だからこそ伝えたいメッセージがたくさんつまっています。

 

 

大国主命(おおくにぬしのみこと)ってどんな神さま?

大国主命(おおくにぬしのみこと)は、日本の昔ばなしや神話に出てくる、とてもやさしくて力のある神さまです。

「因幡の白兎」に出てくるあの心のやさしい神さまが、大国主命なんです。

 

🏛どんなことをした神さま?

① 「国づくり」の神さま

大国主命は、日本の国をつくったり、育てたりした神さまとして有名です。

山や川、田んぼ、人々のくらしを作ったと言われています。

だから、「国づくりの神さま」「だいこくさま」とも呼ばれています。

② 人助けが得意な神さま

「因幡の白兎」のお話のように、困っているウサギを助けたりやさしく声をかけたりする、思いやりのある神さまです。

 

🐇なぜ「ウサギ」を助けたの?

ウサギがサメにだましがバレて、けがをしてしまったとき、

お兄さんたちの神さまたちはいじわるして、もっとひどくさせました。

でも、大国主命は、ウサギの気持ちによりそって、本当に体がよくなる方法を教えてあげたのです。

ウサギは大国主命のやさしさにとても感動しました。

 

大国主命をまつっている神社

大国主命は、出雲大社(いずもたいしゃ)という大きな神社でまつられています。

これは島根県にある、日本でもとても有名な神社です。

「ご縁(えん)」の神さまとしても知られていて、人との出会いや幸せな関係をつないでくれる神さまなんです。

 

✨どんな人にぴったりな神さま?

・やさしくなりたい人

・人を助けたい人

・だれかと仲良くなりたい人

・日本や自然が好きな人

大国主命は、そんな人たちをそっと応援してくれる神さまです。

 

まとめ

ポイント 内容
名前の読み方 おおくにぬしのみこと
呼ばれ方 国づくりの神、だいこくさま、ご縁の神さま
性格 やさしい・思いやりがある・正直
ゆかりの地 出雲大社(島根県)

 

 

 

八上比売(やかみひめ)ってどんな人?

八上比売(やかみひめ)は、日本の昔ばなしや神話に出てくる、とても美しくて、心のやさしいお姫さまです。

「因幡の白兎」のお話では、たくさんの神さまたちから人気がありましたが、最後に大国主命(おおくにぬしのみこと)を選んだことで知られています。

 

🌸どんな場面に出てくるの?

昔、八上比売のもとに、たくさんの神さまたち(八十神/やそがみ)が「お嫁さんになってください!」とやってきました。

その中には、やさしい末っ子の神さま「大国主命」もいました。

そして――

ウサギを助けたやさしい神さまこそが、八上比売が選んだ人だったのです!

つまり、八上比売は、心のやさしさをちゃんと見ていたのです。

 

💕八上比売の気持ち

八上比売は、ただ見た目がカッコいいとか、力が強いとかではなく、

「ほんとうにやさしくて思いやりのある人を、私は選びたい」

という気持ちを持っていました。

だから、ウサギを助けた大国主命のことを好きになったのです。

 

🗾八上比売のゆかりの地

八上比売は、今の鳥取県の八上(やかみ)地方にいたとされています。

この名前から「八上比売(やかみひめ)」と呼ばれるようになりました。

今でも、鳥取や出雲の神話に登場する有名な女性の神さまとして大切にされています。

 

✨どんな人にぴったりな存在?

・やさしい心を大切にしている人

・本当の愛やご縁を信じている人

・正直な人を見ぬく力を持ちたい人

八上比売のように、人の中身や心を大事にする人は、とてもすてきですね!

 

まとめ

ポイント 内容
名前の読み方 やかみひめ
呼ばれ方 八上姫、心やさしいお姫さま
性格 やさしくて思いやりがある、正しい人を見ぬく
ゆかりの地 鳥取県・八上(やかみ)地方
有名なエピソード 大国主命を選んだお話(因幡の白兎)